さしもしらじな

アイドル系のデトックス諸々

『ラヴ・オール!!』 / 梅棒

 

 

4回目の梅棒…というか、まだ4回しか観てなかったんか!?

 

 

(これまでの観劇記録。)

 

4回目の梅棒の会場は大井競馬場の真ん前にあるシアターH…池袋にしても、日比谷にしても、庶民ちょい下の生活感を持っている自分としては、地味に格好とか気をつけなければ行けないなぁ…という勝手な緊張感があったのだけれど、今回は勝手知ったる我が町大井町ということで、なーんの緊張感もなく徒歩で行けたのが良かったな(笑)

 

 

加えてもう一つ与太話をすると、今回は今までの梅棒の現場と比べて男性客がそこそこいる新鮮さ…家族連れやカップルじゃない、ちゃんとした男性のソロ客(?)が居る謎の安心感よ…まぁ、それでも圧倒的に女性客の方が多いんですが。

 

そんな『ラヴ・オール!!』なのだけれど、何につけても「石田亜佑美さんが凄かった」という一言に尽きてしまう。これまでは、楽曲ごとの演出とかを細々と覚えていたり、話していたのだけれど、割と真面目にちゃんとした観劇をするためだけにもう一回観に行くかを検討したくらいには、石田さんしか観てなかった。

 

 

何が凄かったかと言えば、シンプルに豊かな表情と身体表現のこの2点に尽きる。

初めに書いておくと、ダンスにおいては出演されている皆様がプロなので、そこにおける差は全くありません。それぞれの得意な分野で個性を発揮しつつ、それでいて揃えるところは揃える…なので、ここでいう表情の豊かさと身体表現はダンスにおけるものではなく、圧倒的に芝居におけるもの。

めちゃくちゃ簡単に石田さんの演じた役柄について書くと、“既にアイドルの道を歩き始めている姉と同じく自分もアイドルをやりたかったのだけれど、勇気がなくてオーディションに応募できなかったところ、父親の思い違いから結果としてアイドルオーディションへ参加することとなった妹” なのだけれど、基本的にアイドルになる為に真っ直ぐ努力してきた姉に比べて、なりたいけど勇気がない、自分で出来るか分からない、みたいな一捻りある感情のクッションを一挙手一動足にしっかり落とし込んで表現できていたのがとにかく良かった。

もちろん、アイドル経験がほとんどない素人丸出しの前半から、アイドルとして “覚醒” する後半に向けて、リズムの取り方一つにしても変化が付いているし、その出来ないもどかしさもちゃんと当たり前に身体に落とし込めていたのがそもそも良い。(ここら辺はもしかしたら実体験を元にしているのかしら?とも思ったり。)

ただ、その上で自分が印象として強いのは、姉に先んじてオーディションに勝ってグループを結成することとなった時の、あの自分事として嬉しさがある一方で、姉が落選しているなかでの気配りとかもどかしさの、絶妙な中間の感情がセリフなしでちゃんと伝わってきたのが好きだったんだよなぁ…いや、本来の劇ならこの絶妙な温度感って、セリフやその間、若しくはもの悲しいBGMとかで表さないといけないと思うんです。ただこの場面、(記憶が間違ってなければ)後ろではバッキバキの中島健人の「IDOLIC」が流れているわけですよ。なので、自分の表したい表現を100%自分のコントロール下においてできる訳ではない。そんな制約の隙間を縫うように、当たり前のように「IDOLIC」に合わせつつ、役の持っている感情を表していたのは、流石を通り越して “凄い” な、と思ってたなぁ…今まで観てきた中でこんなに細かい感情を伝えていた人は居なかったイメージがある。

 

もちろん、感情表現の難しさはセリフがない弊害ではないし、なんならセリフがあっても感情が伝わってない舞台なんてザラにあるのだけれど、それでも基本的に梅棒の舞台は喜怒哀楽の感情がハッキリしていて、そこにJ-POPの有名曲が劇を彩るというなかでの “感情の分かりやすさ” は確かにあるんです。ただそういった中で、こんなに細かいグラデーションのある演技ができた石田さんが本当に凄いって話…いや、ホントになんだったんだろあの表現力。

ただまぁ、それこそ過去のソロフェスの「忘れてあげる」のパフォーマンスではないのだけれど、この手の曲に合わせての表現、乃至は芝居が抜群に上手いというのはあるのかもなぁ…今年のソロフェスで同じような演技しているメンバーもいたのだけれど、石田亜佑美さんには遠く届いていなかったもの、ぶっちゃけ。

あと、観劇した後で、もう少し石田さんのダンス観ておけば良かったなぁと…流石に【生たけ】以外は意外とよく知らないみたいな感じで行ったことに少し後悔があったな。

 

 

ただ、ここからがさらにもどかしいところで、だからこそ使用された楽曲が石田さんに追いついていないのでは?とも思ったんだよなぁ…ここのバランスがやっぱり難しくて、役者の表現力に合わせるのか、来ている観客に合わせるのかで、もう少し役者に合わせた渋い選曲を後半に持っていったらどうなっていたのかを少し考えてしまったんだよなぁ…それくらい、石田さんの身体表現が素晴らしかった。

 

そんな楽曲ごとの印象で言うと「カリスマックス」が始めに来るかなぁ…この曲2回目のような気がするのだけれど、梅棒と相性がいい印象が勝手にある。もちろん、僕自身が好きというのもあるけれども(笑)

 

檄!帝国華撃団」も印象的…というか、このパフォーマンスの時の松浦景子さんの顔がまぁうるさくて(笑)終盤に見せる連続ターンの凄さとのギャップがまぁ面白いと言うか…ゲッターが好きなのがなんかわかった気もするし、ゲッターも影響下にあることがよくわかる(笑)

 

(にしても、毎度すごい熱量のブログなんだよな…)

 

栄光の架橋」も好きだったな…柔道の大会で負けたシーンのナレーションから始まるのがそもそもドラマティック…ナレーションをバックにコーチに抱きかかえられて失意の中にあるシーンから、曲の開始でその前日譚に時間軸が戻り、試合への壮行会のシーンから、(あり得ない体格差の相手に)決勝戦で挑んで一本背負いで負けるシーン、そして負けて落ち込んでるところにコーチがオーディションの応募を見つけて、書類を送付するところでこの曲でのパフォーマンスが終わるのだけれど、そのオーディションの書類を送付するシーンあたりで謎の感動としか言いようのない構図を見せられて「何なんだろ、この時間」って思ってたりしてたな…個人的にはこの楽曲のパフォーマンスが2番目に好き。

 

1番は「Everything」。どうやら元の主題歌になってる『やまとなでしこ』がベースとなっているらしいのだけれど、そこまでは分からなかった…のだけれど、分からなくても7分まるまる使ったパフォーマンスがとにかく圧巻だった。

主人公姉妹のお父さんとお母さんが合コンであって、その後に恋に落ちて、結婚して、そしてギクシャクして…みたいな一連の流れをこの一曲に詰め込んでいるのだけれど、その2人の話が進んでいる中での心の動きをアンサンブルの方が別で踊っている、あの演出が個人的にツボだったんだよなぁ…それこそセリフがないならではの演劇表現。

アンサンブルの方々も今回良かったんだよなぁ…細かいところに手が届いていて、劇全体の流れがスムーズだった感じもあるし。

 

あと、やっぱ(?)梅澤さんが個人的にツボなんだろうなぁ…お父さんの「好きすぎて滅!」のあの全体の身体の硬いダンスみたいなのが大変良い…それこそ「私なんて滅相もない…」的な雰囲気から、ヲタク仕草に飲まれる瞬間みたいな可笑しさみたいなのがしっかりと表れていたんだよなぁ…なんだろうなぁ…梅澤さんって “人情” なんですよ。“コメディ” とか “ユーモラス” じゃなくて “人情” って感じ…フランキー堺さんとか植木等さんとか、洋じゃない日本の喜劇人って感じの雰囲気が好きなんだよな…ハロヲタの言い馴染みでいうと “だーいし感” ってやつ。

てか!それで言うと2人のシーンが凄く好きだったんだよな…!「ケセラセラ」だったかなぁ…2人と犬で物語が進んで行っていたパフォーマンスがあったのだけれど、演劇としての充実度が半端なかったな…あたし、梅澤さんのヲタクになるのかしら、今後。

あと、話は戻るのだけれど「好きすぎて滅!」にしても、「カリスマックス」にしても、そして「アイドル」にしてもかな…なんか、この曲にはコレ!みたいな振り付けを絶妙に避けていく姿勢みたいなものも、なんか好きだったりする(笑)そして、ハロプロとAKB系の楽曲もやらない…正確には鈴木愛理さんの楽曲はあったのだけれど、こういうしれっと硬派な面も好きなのよ。

 

他のめちゃくちゃ細かいところで行くと、梅棒の胡散臭いCMすごい好きなんだよなぁ…今回でいうと、オーディションのCMとか。ちょうど良い胡散臭さ。

あと、舞台装置が割とシンプルだったのも印象的。プロジェクションマッピングも使用してはいたのだけれど、基本的にはフォーメーションで劇を進めていってたのが新鮮だった。

 

と、まぁそんな今回の感想なのだけれど、個人的には前回のオール梅棒メンバーでやっていた『FINAL JACKET』の爆発力には一歩及ばないって感じ…やっぱ「すきっ!」で暴れ出た脳汁の絶対量には敵わなかったんだよなぁ…というかあのシーンのラスボスって梅澤さんじゃなかったか…ラストシーンも梅澤さんだった記憶もあるぞ…やはり、梅澤さんのヲタクになるしかないのでは…?

 

 

ただその一方で、もう一回観たいと思ったのは『ラヴ・オール!!』で舞台上で複数同時進行しているシーンが比較的多かった気がするんだよなぁ…それこそ、目がいくつあっても足りないみたいな現象がかなり多かった気がする。

ここに関してはちょっと今後の課題だなぁ…どうしよう、次回で梅澤さんしか観てなさすぎて劇の内容が入ってきてないみたいな現象とか起きたら…(笑)