これぞ、「行くぜ!つばきファクトリー!」の真骨頂。メンバー全員の個性を楽しみつつ、それぞれの持つグルーヴを楽しみつつ、最終的にはグループ全体が輝くバラエティ番組。今回の企画は、「ガチ芝居で演じ切れ!即興シリアスドラマ対決!」。ファーストシーズン、そして2月の生放送でやった企画がパワーアップして帰ってきた…それこそ通年バラエティの旨味であるメンバーの進化を感じれる企画でもある!
そんな名物企画の面白ポイントをですね、とにかく細かく書きまくります。
始めに書いときますが、かなり長いです。
1. 今回のレギュレーション
今回で3回目となる即興ドラマ企画。1回目は前回のシングル発売時で、このときはお題のセリフと制限時間(3分間)を設けて行うというもの。4人1組の3グループで行われました。2回目はデビュー記念日に生放送で行われたもので、制限時間内で今まで発売された楽曲の名前をセリフに入れながら演じなければいけないと言うもの。この時は3人1組の4グループで行われました。
どちらにしても、“制限時間内に” “打合せなしでその場で即興で演じること” 、そして “指定されたセリフを入れること” が共通のレギュレーションとして挙げられます。
このレギュレーションでももちろんバラエティとして面白かったのですが、その反面で後半のチームに行くにつれてだんだん有利になってしまうと言う問題点がありました。なんなら、2回とも優勝したのは最後のグループだったりするので。(「敗因は順番だと思います」by 八木栞)
…と言うことも考慮したのかは分からないのですが、生放送後に岸本さんが「次やる時は打ち合わせとかちゃんとしてやりたいですね」と提案したのが今回のレギュレーションの始まりだったようです。
さらにそこに追加されたのが「始めにリーダーを決めてそこからドラフト制でメンバーを決める」というもの。
ここら辺の試行錯誤が実に「行くぜ!つばきファクトリー!」らしいと思うところ。とりあえず個性が爆発してるメンバーが揃っている反面、うまく制限をかけないと自由度が増して、企画としてはとっ散らかって面白くなくなるわけです。たしか、前回の生放送時では「上手いことルールが機能しなかった」という反省が出ていたのだけれど、その反省をきちんと活かして、「え!ここまで面白く出来るの!」ってところまで企画が進化しているのがすごいんですよ。いくら人気の企画だからといってそのままで放置せずに進化させて提供する…流石です。
というわけで改めてレギュレーション。
a. 決められたセリフをいれること
b. シリアスな内容であること
c. 始めにリーダーを決めてドラフト制でチームを組むこと
改めて書くとなんてことないのだけれど、これで十分面白くなるので本当に不思議なグループ、つばきファクトリー。ドラフト会議からメチャクチャ楽しいことになってます。
2. チーム決めドラフト会議
初めにくじ引きで各チームのリーダー決め。この時に決まったのが、
「アドレナリン・ダメ」チーム → 秋山
「弱さじゃないよ、恋は」チーム → 八木
「アイドル天職音頭」チーム → 山岸
の3人。
(すんごいどうでも良いのだけれど、一瞬映ったくじ引きの時に秋山さんが小野さんにくじ引き用のカードを渡していたの、どういう流れだったんだろ…)
そしてここからリーダーがドラフト指名してメンバーを決めていきます。早速、一巡指名。
秋山 → 小野田
八木 → 岸本
山岸 → 小野田
というように、小野田さんが重複指名を受けることに。秋山さんは「可愛いキャラと思われがちだが、シリアスにも意外と振れる」、山岸さんは「1回目の時に一緒に演じたのだけれど、困っている時に助け舟を出してくれたりと、何かと役立つ」という理由で指名。メンバーが演技という面において小野田さんを信用していることがよくわかります。
その一方で普段から小野田さん推しを隠し切れてない八木さんが岸本さんを指名しているのがガチさの表れ。というのもリーダー八木…もとい八木プロデューサー、この時点で頭の中にドラマの構想があり「男役が欲しい」という理由で岸本さんを指名したとのこと。ありがとうございます。
というわけで、小野田さんを取り合うことになったのですがジャンケンの結果、秋山さんチームに。
そのあと、山岸さんが外れ一位指名を行うのですが、その際に「自己アピールして」と要求したところ浅倉さんがひと言。
「重い女です」
「重い女のキャラができます」とかじゃなくて「重い女です」ってまんま言っちゃうのがききちゃんの良いところよ。(個人的にはそのあとの小野さんの「シリアスにはピッタリだね」というフォローが小野瑞歩すぎて好き。ポジティブすぎる。)そしてこの “重い女アピール” を受けて山岸さんは浅倉さんを獲得。
そして続く、二巡指名。
秋山 → 小野
八木 → 谷本
山岸 → 福田
ここは綺麗に分かれて、すぐ獲得。
まず、秋山さんの小野さん獲得理由。
「瑞歩は、大切な存在です」
ドラフトで獲得する理由じゃない。そしてそれにガチ照れするんじゃないよ、小野さんも。そしてダメ押しで岸本さんが「試写会の女優みたいな格好してる」ってのがじわじわ来るのよ。一つのくだりでどれだけ被せるつもりなんだ、つばきファクトリー。
次に八木プロデューサーの谷本さん獲得理由については、「チャラい役が欲しくて、今日の谷本さんの衣装と髪型がピッタリだったから」とのこと。いや、谷本さん自身じゃないんかい!と思いつつ、谷本さん自身は「この衣装でよかったです!」というあたり、この人もポジティブだよなぁって思う。というか、変な空気になるところをアッケカランさで一気に薙ぎ払うスゴさがあるよね、あんみぃ。
最後の山岸さんの福田さん獲得理由については、「これまでの経験上、スイッチが入ると凄いから」という理由。ちなみにこの時点で浅倉、福田の二大ヒロインをサラッと獲得してるリーダー、実はなかなかのやり手だと思います。
さて、各自欲しいメンバーを獲ったあとの三巡指名なのですが、ここでリーダーたちの筆がピタリと止まります。この状況下で河西さんが吠えます。
「皆さん、筆が止まってませんか?さっきまであんなにスラスラ書いてたのに!この3人になった途端に止まってません?」
結構、吠えます。河西さん、この手の不幸キャラ似合うんですよねぇ。めっちゃ輝いて見える。(ちなみに、ドラフトというと残ったメンバーが可哀想に見えたりするものなのだけれど、誰が最後でも良い感じに中和できるあたり、つばきファクトリー信頼されてるなぁ、とも。)
それに対して秋山さんが「新メンバーに関しては未知だから」というのですが、新沼さんがそれに対して拗ねるという、大荒れの現場。そんななか三巡指名。
秋山 → 新沼
八木 → 新沼
山岸 → 新沼
まさかの全員、新沼被り。そしてまた吠える河西さん。それについて八木プロデューサーが厳しい一言。
「違うの!役に当てはまらなかっただけなの!」
ここで地味に後ろで「アイツ、言いよった!」みたいに指差してる福田さんが好き。ちなみにこのあと例によってジャンケンで決めるのですが、新沼さんがひと言。
「わたしを奪い合っちゃってください!キャハッ☆」
というのがマジ新沼希空。可愛すぎる。
さて、そんなジャンケンの結果、新沼さんは山岸さんチームに。外れ三位指名は綺麗に分かれて、
秋山 → 豫風
八木 → 河西
という結果に。まとめると
「アドレナリン・ダメ」チーム
→ 秋山、小野田、小野、豫風
「弱さじゃないよ、恋は」チーム
→ 八木、岸本、谷本、河西
「アイドル天職音頭」チーム
→ 山岸、浅倉、福田、新沼
と言った並びに。流石のドラフト制、良い感じにバランス良くなってると思います。
で、本編だとここから3組の「打合せ」シーンが来て、芝居の本編が3組連続で放映されるのですが、このブログでは各グループごとにまとめようと思います。アレはテレビでしか無理な編集だし、メチャクチャ上手く繋げてたし。
3.「アイドル天職音頭」チーム
最初に書くことでもないんですけど、どういう決め方で演じる順番が決まったかは実は本編では流れてないんですよね、実は。放映順が実際の演技順なのはおそらくそうなのだろうけれど、くじだったのか、リーダーの年長順だったのかは、気になるところ。
まぁ、置いといて。
「アイドル天職音頭」チームはリアル路線ということで、あらすじとしては「アイドルとしての進路に悩む浅倉さんが、山岸さんを連れて福田さん扮するマリリン先生の占いを受けに行く」というものだったのですが…。
いや、リアルすぎるだろ!
ちなみに初回放送時では【灼熱】すら行われていなかったりするので、もちろん浅倉さんの卒業発表もされていなかったりします。なので、「浅倉さんもそういう歳やもんなぁ」くらいで、「まぁ、ネタにするってことはまだ先ってことよね?」って思ってたら…
思ってたら、コレですよ!
誰がそこまでリアルにしろと!
え!こんなオチの出し方ある?
こっちがシリアスになるわ!
という驚きの作品。
…まあ、他の二つに比べてパンチは確かにまだ少なかったけれど、そう言うことじゃないのよ。(ちなみに、見返すと岸本さんが口元を覆ってて、もしかすると顔に出ちゃいそうだったのかなぁって思ったり。わかんないけど。)(一応、メンバーへ伝えたのは【灼熱】後だったみたいです)
ちなみにこのリアル路線、初回放送では専ら新沼さんがそこを担ってたんですよ。というのも、「(福田真琳扮する)マリリン先生の助手」についてる「つばきファクトリー新沼希空」役「新沼希空」って言う、「いや、ただの普段の占い好きのキソランやないかい」っていう類いの “リアル” 。(新沼さん、こう言うメタ視点の持っていき方好きよね。)
とはいえ一応、浅倉さんにしても山岸さんにしてもアイドルをやってる設定なのでココもリアル路線なんですけどね。
…と考えると、お姉さんメンバーが新メンバーに相談するというカオスな状態になっているのですが、そこをキチンと占い師役としてまとめ上げる福田さん…もといマリリン先生の謎の説得力が面白い。落ち着いた口調から溢れ出る気品と絶妙な砕け具合と接客がたまらんのです。これ、新沼さん助手のままでコントコーナーにならないかなぁ…。悩めるつばきファクトリーメンバーを相手にするミニコーナー。
ちなみに、リアル路線ということもあってか、演技のトーンが低く緊張状態が続いていたのも印象的。つまり、ちょっとした挙動で笑ってしまうのだけれど、ただそんななか真面目に芝居をしていって、最後の盛り上がりに向かうキッカケの山岸さんのセリフ、
「1000万、入った」
の緊張の緩和が完璧すぎるんですよ。
で、こう言うのってオチが大事なんですけど、最終的にマリリン先生を崇め奉って、
「これであなたの人生も、かま揚げ揚げよ!」
で締めるのが完璧すぎる。やっぱ、コーナー化しません?これ。
そんな「アイドル天職音頭」チーム。正直、一番シリアスに昇華するのが難しかったと思うのですが、上手いことまとめあげた印象。欲を言えばではないけれど、“アイドル” という縛りなしで、浅倉さんの恋愛相談編が見てみたいです。たぶん、“重い女” の本領を発揮すると思うので。
4.「アドレナリン・ダメ」チーム
小野、小野田、秋山って言う追加メンバー、通称「サニコ」に豫風さんを加えたドタバタ組。まあ、面子からうるさいのは分かっていたけれど、こちらの予想を超えてくるのが凄いところ。だってストッパーいないんだもん。
内容としては「船舶免許をとった小野さんがメンバーを誘って海に出たところでサメに遭遇する」と言うもの。おそらくだけれど「シリアス物=サメ映画」ってのが元々の発端なのではないかなぁと思うのです。秋山さんがブログで「短編映画を意識していた」とも書いていたので。まあ、実際に上がってきたものは短編映画にしてはダイナミック過ぎるものでしたが。
で、秋山プロデューサーの手腕だと思うのですが、とにかくアイデアの量が多いんですよ基本的に。引き出しが多いってのかな。北海道ロケでの「『弱さじゃないよ、恋は』自作PV対決!」のときもそうなんですけど、アイデアの量とそれを形にする速さがとにかく凄い。そして、他の人の意見も進んで取り入れるので、結果として見たことのないものが出来上がるってのが面白いところ。(反対に言うと、あんまり時間を長くかけすぎるとまとまらないタイプなのかもしれない。)で、小野さん、小野田さんも基本全乗りなので、どんどん膨れ上がっていくドラマの総量。
そうそう、最近思っているのだけれど、小野さん秋山さんの “えむぅず” が基本的にぶっ飛んでるんですよ。“サニコ” だろうが “チャレンジ部” だろうが “ミラクルスリー” だろうが、ここに乗っかれるかどうかにかかってて、今回はるのちゃんがよくこのノリに食らいついていたなぁと…。というか、北海道ロケの時の山岸、谷本、新沼トリオの中にいたときもそうだけど、るのちゃんって地味にこういうトリオ組に放り込まれること多い気がする。
…そしてそんなかで暴れ回っている気がする。
(話は逸れるけど、豫風さんの立場に近いのって、和田さんがリーダーだった時のアンジュルムの笠原さんだと思うんです。でも笠原さんが「この人たちホントにヤバいんです!」って俯瞰的にみていたのとは違って、「ふへへっ」って楽しそうに笑いながら普通に遊び回ってるのが豫風さんの面白いところだと思うんですよねぇ。)
で、まあ、打合せ中から叫びに叫び、暴れに暴れ回ってるからか、他のグループから「何やってんだ、アイツらは」みたいなリアクション受けてるのも面白い。新沼さんに至っては「マサイ族いる」って例えてたぞ?
そんなパニックサメ映画リスペクトな作品は作中もぶっ飛んでます。まず、船の名前が「サニコニック号」。もう、沈没する気満々。次に出港の季節。「るのちゃんの誕生日だしね!」と言うセリフがあるのだけれど、豫風さんの誕生日って12月なんですよ…。極寒の海に出掛けてるって見てみるとより面白いのです。
で、出港後にサメに遭遇したところで誤って小野田さんが海に落ちてしまうと言う展開。たぶん、ちょっと落ちる位置が遠かったと思うんですよね…。舞台を広く使おうと思った結果、落ちた理由が分かりにくくなってしまったんだと思います。
このあとは小野、秋山、豫風で小野田さんを助けるのですが、ここのるのちゃんの「こんなんじゃダメだよね…弱い自分を断ち切らなくちゃ!」の言い方がメッチャカッコよくて好き。すごく主人公感あって良いんですよねぇ。
そうそう、小野田さんを無事に引き揚げた後、「サニコニック号」は沈没するんですけど、その時の「水、入ってきてね?」の言い方も結構好き。意外と芝居向きなのかもしれない、豫風瑠乃。
で、サニコニック号が沈没するくだりからシリアスは一転してミュージカル調に…。これがドタバタ打ち合わせしていた原因。
にしても、打ち合わせ時間30分でサメ映画リスペクト部分とミュージカル部分があって、さらにミュージカル部分では歌も振りもバッチリついているってどんなアイデア量だよ!って感じ。変な話、サメ映画リスペクト部分だけでレギュレーションのセリフミッション自体はクリアしてますからね?要らないんですよ、基本的にミュージカルパート。笑
そして地味にクオリティが高いミュージカルパート…と思わせて、終わり方が斬新。見ていたメンバーが「え?」と口々にするほど唐突な終わり方。(いや、まぁ、小野田さんを助けたところで終わった方が綺麗だったのでは?とちょっと思った。)
とはいえ、メンバー全員やりきり、かつエンターテイメント性も高かった「アドレナリン・ダメ」チーム。岸本さんの「小野田さん、ハリウッド女優の顔をしやんでええねん」にしっかりハリウッド女優の顔で答えるところ含めて、最高でした。
5.「弱さじゃないよ、恋は」
はい、お待たせしました。ここからが、この記事の本編です。
え?ここまでで6,000字以上書いてるじゃないかって?いや、ここまではあくまで序章ですから。ここからが本編。本当の始まりです。いやぁ、今までの苦労はここのパートを書くためにあったといっても過言ではないのです。えぇ、確かにここまでのチームも素晴らしかったですよ。認めます。というより、前の二回よりも確実に良いものが出来てますから…。しかしですよ?このチームの出来はやっぱり群を抜いてるんですよ。本来の良さに、よく分からないマジックまでついてきちゃった…俗に言う「本番マジック」と言うヤツですかね?そう言う完成度がそこにはあったのです。
始めにあらすじですが「浮気をしている真っ最中の彼氏の元に、彼女とその女友達が出向く」と言うもの。このあらすじ自体は元から八木プロデューサーの頭の中にあって、それを念頭に男役として岸本さんを獲得しました。この時点での配役は、彼氏と彼女、彼氏の浮気相手と、彼女の女友達の4人です。
まず、このチームの完成度の高さの一つは八木プロデューサーがこの構想を打ち合わせの段階で持ってたことが大きいと思います。おそらく他のチームは打ち合わせで初めて一からドラマを作っていったと思うのですが、そこに時間を割かず、配役と演技の向上に時間を掛けれたと言うのが大きいのです。
さて、あらすじ自体は大きく変わらないのですが、八木さんのブログでオチ自体は岸本さんが追加したことが書かれています。おそらくですが、八木プロデューサーの頭の中では「弱さじゃないよ、恋は」にちなんで、彼女が女友達の力を借りて彼氏に向かって強く文句を言う、みたいな構想だったのかなぁってなんとなく思うのです。ただ、オチにこだわる岸本さんはそれ以上に刺激的な案が出てきて提案したんだろうなぁ…という感じ。ここら辺は岸本さんの手癖というのかな。次々と物語を展開させつつ綺麗にオチまで繋がる一面が出たんだと思います。
そんな新しい刺激的なオチが決まって、ここから直ぐに練習に取り掛かるのですが、断片的な打ち合わせ風景だけでも配役が変わったことがわかります。おそらく初めの配役は、
彼氏 → 岸本
彼女 → 河西
浮気相手 → 谷本
女友達 → 八木
だったような感じが練習風景の台詞からします。ただ、このドラマは地味に彼女役が難しいんですよ。変に逆ギレしてもいけないし、かと言ってずっと黙り込んでもいけないので。河西さんが難しいと言っていたのはこの微妙な部分。たぶん、誰でも難しい。ちなみに、一番美味しいのは女友達…ってもここの役も後々の展開を考えると難しいとは思うんですけどね。
そんなかで試行錯誤の結果、以下の通りに配役が変更されます。
彼氏 → 岸本
彼女 → 八木
浮気相手 → 河西
女友達 → 谷本
で、ですよ…。
まあ、今回のミソと言いますか…。
岸本さん演じる彼氏がですね。
非常に良くて…。
かなた様、様々ですよホントに。
ホントに、チャラ男でクズ男なんですよ。マジ顔だけの男なんですけど…ディテールが細かいというかね。一つ一つの動作が、打ち合わせの時から役に入り込んでいてヤバいんです。そもそもの「役名どうする?」って話のときに八木プロデューサー含め3人は立ってるなか、一人ソファに座ってるんですけど、その足の組み方が既にイケメンって言う凄さ。で、河西さんが「かなた、とか?」って提案したときに(河西さんナイスネーミングセンス!)「え?ホスト?」って返す速度と座ってる姿勢が既にホストのそれなんですよ。なんで、そんなディテールが細かいのか。
そのあと、おそらく「浮気相手→谷本」設定のままでイチャつく芝居をするんですけど、そこの距離の近さが演技のソレじゃない。なんというか「え?この2人ってやろうと思えばそんなにイチャつくことが出来るの?」って近さなんですよ。「公式でそんなに絡んでるの見たことないよ?」「普段からやってるようなテンションでなにやってるの?」「コチラ側はそんなに耐性ないよ?」と思うぐらいのイチャつき。演技指導に入る八木プロデューサーもちょっと引いてたような気がする。
そんなところに興奮しつつ、本番に向かいます。
で、舞台の構成も八木プロデューサーの手腕が光っていて。始めは舞台の上手でかなた君と河西さんがイチャイチャ浮気してるところから始まり、下手側では女友達の谷本さんが彼女役の八木さんの相談を受けている様子が同時進行で進んでいるんです。ここら辺の舞台の両サイドで違う場所を演出するってのが八木プロデューサーという感じ。
で、女友達に相談をした結果、意を決して八木さん扮する彼女が浮気現場に行くんですけど、ここの前の相談を受けてるシーンってのが打ち合わせの様子では一切流れてないからどこまで練習したのか分からないのがまたミソだと思うんです。あえて編集で切ったのか、それとも結果として載らなかったのか、そもそも練習していないのか…すごく気になるところでもあり、テレビで観ている私たちも新鮮にみれるんですよね。ただ、もし練習していないのなら谷本さんと八木さん凄すぎる。
で、彼氏と浮気相手の現場に彼女と女友達がいるっていう修羅場も修羅場が出来上がるわけなんですけど…ここの緊迫感が異様で。新沼さんも初めはかなた君に対して「サイテー」とか言ってたんですけど、見てるメンバーみんな黙り込むわ、小野田さんが「ヤバっ」って言いながら凝視してるわ、てかサニコの3人はずっと手を握っていたりと、見てるこっちがハラハラしてるんですよ。豫風さんもガン見もガン見。(教育上、大丈夫なのだろうか…。)
で、この修羅場におけるかなた君が最高で。もう、チャラ男クソ男のソレなんですよ、言動が。
八木「なにやってんの?」
かなた君「(河西さんを隣に座らせてる状態で)見たまんまですけど?」(逆ギレ)
八木「…」
かなた「なに、まだ質問ある?」(逆ギレ)
八木「…」
かなた「なんでも答えますけど?」(逆ギレ)
こんな感じです。笑
てか、何気に編集もいい仕事してたよな、コレ。
かなた君、強い。
いや、普通にこんなセリフが出てくる岸本さんも普段どんな作品を見ているのかが気になる、ホントに。で、トドメの一言。
かなた「わかった、別れよう」
っていうね。これに、逐一乗ってくるギャル悪女ゆうみ氏もなかなかのクオリティで、煽りまくるのが最高なんですよ。さすが、元子役枠ふたり。いや、こんな形で演技力をフルに活用するとは思ってなかったでしょうけど。
で、ここの八木さんの負けっぷりも見事です。なにも言い返せない感じが凄く良い。(そして、ここまでされてるのに諦めきれてない感じがさらに良い。)
さて、ここでようやく、かなた君の態度に痺れを切らした谷本さんが怒ります。まず、八木さんのためにギャル悪女ゆうみ氏を帰らせます。また、気持ちの整理が追いつかない八木さんの頭を冷やさせる為にいったん自分の家に行かせます。そして、二人きりになった所で、かなた君に説教をする…
と思いきや、なんと「かなた〜♡」って言って抱きつきイチャつき始めます。
はい、この二人がグルでした!
怖っ!
もうね…ここに関しては完全にマジックが起きてしまってるんですよ。初めに書いた通り、元々八木プロデューサーの頭にあった配役とは違うんです。そもそも「衣装がチャラい」と言った理由で谷本さんを獲っていて、想定としては「浮気相手役」だったはずだから。さらに、あらすじも元々のものから岸本さんが加えたオチがついて更に発展しているので、二重の想定外が起こっているんです。
そこに谷本さんがハマるなんて想定、たぶん誰もしてなかったと思うんです。ここの大きな裏切りが “マジック” 。
「女友達役」が結果的に服装がオシャレで、少し歳上になったことで「頼れる姉御」感が演出できてしまったこと。結果として、かなた君を怒る存在としてミスリード出来てしまえる雰囲気を持ってしまったこと。ただ、そこを裏切ってからの後半の甘えるところでは元の配役の構想通りの「チャラい女性像」を活かしてしまえたこと。そして何より、この二つの “姉御” と “チャラさ” の女性像を演じてしまえた谷本さんの恐ろしさ…というか、「谷本さんって、こんなに演技できたのかよ!」という驚きですよ。この岸本、河西、八木という並びで一番演技で魅せる谷本っていう構図が凄まじすぎた…!
で、ラスト。例のごとくイチャつかながらのやり取りで、
かなた「友達を騙して、その彼氏とイチャつくなんてオマエは本当にワルだな?」
谷本「でも、そういうところが好きなんでしょ?」
の谷本さんの “しょ” のところで二人の目が合うところが完璧すぎて…。あれは、練習とかじゃないですよ!リアル!リアル!
…いやぁ、完璧すぎる。そして、ここまで来るとかなた君と他のつばきファクトリーのメンバーでの絡みが見たい。八木さんに対して、どんな感じで接していたのかとメチャクチャみたい。重い女、浅倉樹々にどう接するかとか見たいな〜。ミニコーナーとしてやらないかな〜。ミニコーナー祭りとかして欲しいですよね。「マリリン先生の占いコーナー」「かなた君の部屋」「カウボーイゆうみの逮捕の時間」とか。「スナックえむぅず」とか。ミニコーナー祭り、見たいなぁ…。
6. 結果発表
という、三者三様の素晴らしい出来のドラマが出来上がった訳ですが、結果的に勝ったのは「弱さじゃないよ、恋は」チーム。まあ、そりゃそうか、という感じ。
ここで、思わず泣いてしまう小野田さんが愛おしすぎるのよ。後のブログでは「せっかくドラフトで一位に選んでもらったのに申し訳ない」と書いていて、自分が選ばれることに対して嬉しさを感じるタイプだとわかり、可愛いなって思ったり。そんな小野田さん然り、「もしここで負けたら私の責任だと思っていたので…」と言ってた八木さん然り、本番後泣いていた小野さん然り、このガチ具合が番組の面白さの原動力になってるんだなぁと改めて実感した次第。(そんな中でサラッと「そういうふうに考えていたのね」と言える谷本さんのバランス感覚も好き。)秋山さんも「いゃ〜ウチラ青春してました!」って言ってたのもすごい良かった。
とにかく、ホントに30分だった?というくらい濃密だった今回の「行くぜ!つばきファクトリー!」。今までも「カラオケ企画」や「ミニミニ運動会」、「学力テスト」などなど色々な神回がありましたが、間違いなく今回が神回だったと思います!
いやぁ、最高だった…!