さしもしらじな

アイドル系のデトックス諸々

野中美希さんの、「ソロフェス!2」のパフォーマンスを余すことなく語ってみる。

 

いやぁ、野中美希推しにはたまらないパフォーマンスでしたよ。

 

なんの?って、ソロフェス2の話です。

 

おそらく、野中美希推しではない方々は真っ先に思うのですよ。

 

あれ、英語使わないの?的な。

 

これはね。野中美希さんを知らない人あるあるだと思うんです。この人ね、思いのほか英語使わないんですよ。

 

いや、多くの人は思うのですよ。

“武器は使ったモノ勝ち” だって。

キャラとして売った方が得だって。

 

しかし、野中美希さんは違うんだなぁ。

英語だけじゃないですよ?アクロバットもできるし、タップダンスもしてたし、ドラえもん(新旧)の物真似だってするし、早稲田大学に通うくらい頭も良いんですよ。とりあえず、そのどれかに絞ってキャラ化しちゃえばそれなりの認知と人気を得ることは出来るのですよ。

 

でも、しないんです。

 

たぶん、その考えを持ってない。

 

おそらく、北川さんあたりは、どれか一つでももっていたならば、「打倒!パンダさんパワー」と言わんが如く、キャラの一点押しをすると思うのですよ。

(まあ、そもそもその必要性がないくらいに、個性を持ってると思うのですが…)

 

ま、置いといてですね。

じゃあ、何を持っているかって話ですよ。

それは、“ひたすらに没頭する力” 、そして “恥を畏れない力” の二つです。

簡単に言うと。

 

 

今すぐ飛び込む勇気

 

 

これに尽きる。

ホント、いいセンター曲もらってる。

 

そして、それが見事に発揮されたのが今回の “音作り” もとい “編曲” 。

まあ一応、ブログでも進捗具合と充実具合は伝わっていたし、公にも『Tiny Tiny』で言及はされていたのだけれど、いざ目にすると、その “没頭する力” をフルに使っているのがわかる。

 

やっぱり細かいところまで詰めているってわかるのが好きなんですよ、パフォーマンスを楽しむ当方としては。

 

 

 

まず、曲が始まる前の無音時間。

あの雰囲気好きなんですよ。

空白、そのなかの緊張感。

で、いざ曲が始まるじゃないですか。

いや、曲を始める、の方が正確なのか。

その瞬間の、静寂感がまず良い。

 

からの、イントロからAメロ終わりまでかな。

ピアノではリズム取ってはいるんですけど、ドラムレス、ビートレスなんですよ。

と言うことは、リズムは自分で刻まないといけないんですけど、ここはモーニング娘。仕込み。完璧に16ビートをとってるのがカッコいいところ。ちゃんと、身体で取っているのがキチンと見てとれる。

個人的にですが、アンジュルムってカッコ良さに振るあまり、リズムやビートをわざと意識してないところがあると思うんですよ。だからこそ、個々の身体的な表現力をぶちかまして闘うという、モーニング娘。とは違う “勢い” の良さが生まれるんですけど、それを自らの編曲と技術でモーニング娘。仕込みの野中美希色に染める凄さをAメロだけで魅せるのです。

で、編曲におけるピアノの重要性。

「ピアノの良いところは、リズムとメロディーを同時に奏でることが出来ること」って誰かが言ってたのだけれど、その良さを100パーセントで楽曲を通して自身のパフォーマンスに還元しちゃえるのが、野中美希さん。裏のメロディーがハマって居るのが面白いんだよなぁ。もちろん、元のコードが決まっているから、メロディーの幅自体は狭められていてアレンジしやすかったってのもあるとは思うのですが、だからといってメロディー生み出すってのも才能ですからね。(リズムの一つ一つに細かく音程をハメたいタイプなのだろうか、という発見もあったし。)

まあ、怖がらないで出せる勇気が、そうさせると言うのも大きいんだろうけれど、あとは歌詞をどこまで作れるかだけだな、今後の注目ポイントは。

 

あと、音で言うと金属音。

アレンジのフックになっているのは勿論なのだけれど、あそこで音ハメを決めるのがパフォーマンスの要。実は、こういう地味な音ハメが上手いんですよ、野中美希さん。

ほんと、移動の時の歩き一つとってもリズムにハマってるから見てほしい。そこまでのパフォーマンスの細かさを持っているかってことですよ。

 

そして歌の旨さ。

自分の編曲してる曲だから当たり前なのだろうけれど、バッチリ楽曲を染めてましたね。(いや、元々自分色に染めるのは得意な方なのだけれど)

あの、低い声が好きなんですよ。

“低いのに、あまい声” というのが、好きなんです。

岸本ゆめのさんにしても、橋迫鈴さんにしても、そうなのだけれど、クセがないし心地よいから永遠に聴いていられるんですよね。なんでしょうね、腹筋で声を出しているからでしょうか。(どうでもいいですが、他のメンバーが控え室コメントしてるときに、ガッツリ後ろで歌の練習している声が入ってて、声量あるなぁ、って思ったり)

その上で、ハモリパートをおそらく自分でしていると思うんです。いや、自分で編曲しているのだから当たり前か。でもこれは、最近のモーニング娘。の曲でもコーラスをやっていることの影響ですね。バッチリ決めてくるところ、ほんとリスペクト。

 

…こうみていくと、『Tiny Tiny』の宿題を余すことなくソロフェスに還元してるんじゃねぇか、野中美希さん。凄い有言実行力。そして早く復活してくれ、『Tiny Tiny』。

 

そして、あまり得意としていないファルセットも綺麗に決めて、キーボードパートに行くのだけれど、ここの座る所作の美しさよ。

ただ座るんじゃなくて、楽曲に合わせて所作を決める。いやぁ、細かいところまで練っているわ。カメラ目線ですよ、カメラ目線。どんだけ自信を持ってやっているんだ。

 

そして、キーボードソロ。モーニング娘。のライブでもピアノは披露しているのだけれど、今回はもう “ちぇる炸裂” っていう感じで、荒ぶっていましたね。ホント、野中美希さんの内に秘めた熱さというか、狂気みたいなのがここに集約されていた気がする。

ソロ始めの原曲リスペクトの激しいシンセサイザーから、静謐なピアノ音への転換のタイミング、そしてもう一回パフォーマンスの構成上、センターに戻るタイミングでの打ち込みへの繋ぎがあまりにも流麗すぎて鳥肌。正直なところ、生演奏かどうか分かりにくいから、キチンと上から演奏している場面映して!って思うほど。ホントに弾いてるのか…でも手を抜く人間ではない…というか、本来的に手の抜き方をおそらく知らない人間なので、生演奏以外ではありえないんだよなぁ…。恐るべき野中美希様。

 

ここまで来て、選曲した「赤いイヤホン」の秀逸さに気付く。

おそらく、つんく♂さんプロデュースの楽曲は、自らの手で編曲し直すには心理的にも社会的にもハードルが高すぎるというのがそもそもある。

とはいえ、それ以外にも魅力的な楽曲は数多くあるし、意外とモーニング娘。を歌っている印象が強いなかでアンジュルム曲って、そもそも結構な意表を突く選曲なんですよ。

その、アンジュルムのなかでも屈指のキラーチューン「赤いイヤホン」は、確かに楽曲としては “強い” のだけれど、歌詞の世界観は意外と “心細さ” や “繊細さ” が現れていて、物凄く “アンジュルム” っぽさもある、グループイメージがかなりついている楽曲でもある。ただ、そのアンジュルムの個性から出る “もどかしさ” は野中美希自身に投影できるモノだった、というのが今回の選曲の絶妙なところ。

ただし、解釈は真逆で攻める。

アンジュルム” が “強さのなかの繊細さ” で魅せたのとは反対に、“野中美希” は “控えめななかの狂気” を魅せる。

(ちなみにこの手のギャップこそが、つんく♂プロデュースの一つの真髄だと思うのだけれど、ま、確信はないのでさておく。)

そして、その “控えめさ” を “狂気” がぶち破るとき、パフォーマンスとして完成されるのだけれど、編曲、歌唱、キーボードソロまで、全てをひっくるめて自分を曝け出す凄味が、結局のところ野中美希の最大の武器なのだと思う。

(そういえば、何人かのハロプロメンバーが編曲における “ダークさ” について語っていたのだけれど、それはこの “狂気” から感じ取れるものなのかもしれない。)

 

とはいえ、パフォーマンスで「良いな!」ってなるのはいつも、“控えめな殻をぶち壊したとき” なんですよ。

これがモーニング娘。のなかにいると、先輩たちとの関係上で難しいのだけれど、ソロになるとグッと引き出されるんですよね。(まあ、そもそも加入のタイミングがタイミングだったので、そういう内面を考慮して入れたというところも大きいと思うのでなんとも。)

 

そしてキーボードソロも無事終えて、歌って舞って、もう一度弾いて終わる。

サラッと、センターに戻ったあと、比較的自由度の高いダンスパートと思わせながら、小指を隠して天を仰ぐフリはキチンと踏襲、なんならカメラに追わせて、「実はリスペクトパートもガッツリ残しています」というのを示すあたりの抜かりなさ。しかも、バッチリ決めます。強い。

 

で、ですよ?変な話、キーボードソロまで自分で弾かなくてもいいんですよ。いや、当方もいま気づいたのですが、弾かずに踊ったほうがパフォーマンスとしては楽になるはずなのだけれど、でも見栄え的には弾いた方が見てる側として楽しいのは請け合いじゃないですか。これは石田さんもそうだけど、見てる側としては視点が動いた方が楽しい。(その一方で生田さんが文字通り一歩も動かずに画面を持たせたのも、同じくらい凄いんですけどね。めっちゃ動くサブリーダーと、全く動かないサブリーダー。この振り幅こそがモーニング娘。の一つの武器だったり。)いやぁ、ここも考えたんだろうなぁ…恐るべき野中美希

 

そして、ラストの顔のカッコいいこと。

いやぁ、ラストのピアノで一音鳴らす所とか外すとそれまでのパフォーマンスがどんなに良くてもオジャンになるので、そういうパートを、持ってくること自体が挑戦的なのですが、絶対入れた方がカッコいいので、まあ入れるわな。

そして、バッチリ決めたあとの、あのやり切った感、堪んないっすね。ニヤッと笑うときは楽しいときなので、野中美希さんの場合。あぁ、すんごく楽しかったんだなぁってのが良くわかる。

しかも、終わりのコメントも完璧で、裏方さんへのリスペクトも忘れず、しかしやってることの如才無さ、そのこのギャップ。やりたいことは全部やってしまえっていうこの貪欲さ。それを完璧に仕上げる要領の良さ。そりゃ、ベストパフォーマンス賞を獲りますわな。抜かりがなさすぎる。

 

と、このような流れで一連のパフォーマンスを終えたのだけれど、その後の上國料さんとのやりとりが、メッチャ好き。意外と二人だけの空間って少ない気がするのだけれど、この二人のライバル関係というか戦友感は見ていて面白い。

からのブログでのお祝いコメントの密かな楽しみ、「野中美希さんを何と呼ぶのか選手権」。

いろんな呼び方がある中で、意外だったのが佐々木莉佳子さんの “ちぇる” 呼び。ほぼ同期だからあり得るのだけれど、不思議な感じ。でも、上國料さんが “ちぇる” 呼びだからそれもそうか。

同じくオーディションが一緒だった浅倉樹々さんも、確か “ちぇる” 呼び。でも、小野田紗栞さんは “美希ちゃん” 呼びなんですよね。

先輩に “ミキティ” がいるのであまり “美希ちゃん” 呼びっていないのだけれど、森戸さんもこの呼び方。意外だったところだと、こぶしファクトリー広瀬彩海さんが “美希ちゃん” 呼びだったんですよね。

あと、モーニング娘。で同期の牧野真莉愛さんが考えた “のなちゃん” なのだけれど、コレを使っているメンバーに段原瑠々さんがいるのには驚いた。一応、後輩には当たるのだけれど、研修生同期の羽賀さんからの影響なのだろうか。まあ、野中さんもあんまり上下関係気にしない人そうだし。

ちなみに岸本ゆめのさんはブログで特大ポスターとのツーショット。この組み合わせもあんまり無いので、嬉しかったなぁ。呼び方は “野中美希さん” 呼びだったのだけれど、グループの結成が少し先輩だからかしら。律儀な岸本さんらしい。

 

というわけで、長くなりました、推しのパフォーマンス話。

 

えー、四千字を超えて五千字に達しましたが、余すことなく語ると誰でもこうなります。

 

まあ、コレくらいの情熱を持って、パフォーマンスを楽しんでいきたいですね、はい。

 

おそらく、来年は全く違うものが出てくると思うので。最初にも言った通り、一つのところに止まらないのでね。

でも、飽き性ってわけではなくて、それまで継続したことは引き継いでいくので、いつの日か今回を超える楽曲パフォーマンスを期待してます!