さしもしらじな

アイドル系のデトックス諸々

断捨ISM

 

『2nd  STEP』のオープニングナンバー。

 

もしくは、先行シングル…と言えなくとも言えないけれど、まあ8ヶ月前のシングルをそういうのは難しいか。

 

https://youtu.be/F_YsbciI1cE

 

楽曲としては、つばきファクトリーが結成以来得意としている高速エレクトロポップチューン。(おそらく、源流としては、つんく♂さんが総合プロデュースを離れて以降の°C-uteさんの音楽を継ぐ形なのだと思う。おそらくだけど。)

「気高く咲き誇れ!」「初恋サンライズ」「ハナモヨウ」「純情cm」と、ファーストアルバムである『first broom』まではコンスタントに発表していたのだけれど、リリース当時で見ると、「純情cm」以来出してないスタイルの楽曲だったりする。

 

意外。

 

それにしても、これらの高速エレクトロポップチューン群、歌えばわかるがかなり難しい。

ナニコノ、人力ボカロみたいな譜割。

しかもそれでいて歌割も複雑で、そうなるとダンスも、そのフォーメーションも楽曲に負けないくらい複雑になってくる。

少しでも、一人でも遅れようものなら、全てが崩れる、そんな危うさと隣り合わせなのだけれど、これを乗り越えて魅せるのが、つばき流。

 

その原動力と言われれば、リズムなのだろうと思う。

 

というか、つばきファクトリーモーニング娘。程とは言わないまでも、かなりリズムにストイックな気がする。というか、そうじゃないと、こんな高速エレクトロポップチューンをモノにできない。

 

リズムを取るのが上手い、というよりかは、リズム勘が良い、というイメージ。ここでこう取れば、楽曲をよりよく聴かせることができる、というステージまで行っている人は少ないけれど、体自体にはリズムが染み付いている、というか。

 

意外に谷本さんとか、もたついているイメージないんだよなぁ。

 

そんな、全員がリズムを取れてるグループだからか、ダンスを含めたパフォーマンスが好きだったり。

 

この楽曲に限らず、ふとした時に飛び道具として機能する、山岸さんと秋山さんのカッコ良さが堪らない。これが、山岸さん一人だと浮いちゃうのだけれど、秋山さんがいるからシンメで動ける。このフォーメーションのためのメンバー構成が、地味にフェチ。

そうそう、「行くぜ!つばきファクトリー」の中で、秋山さんのことをダンスメンとして推す新メンバーが多かったのだけれど、ふと世代の違いを感じたり。

今までだと、佐藤優樹さんとか、佐々木莉佳子さんとか、稲場愛香さんとかが主流だったのだけれど、その一つ下ってなると意外といなくて、秋山さんが独占状態になるのではないかって思うほど。(その下は、松永さんとか橋迫さん?山﨑愛生さんは、ちょっと見せ方が違う気がするんだよなぁ。ちなみに、平井さんと里吉さんは、入ったのは後だけど、年上なので上の世代って事で)

 

楽曲自体は等身大の女子目線の曲。生活感に溢れている楽曲だからか歌割の偏りもなし。なんなら、ラスサビでソロをもらっている新沼さんや谷本さんが前に出ている印象が強かったり。特に、新沼さんは、ようやく自身の目指すアイドル像と、つばきファクトリーでの自分の立ち位置に折り合いがついたからか、自信がついてるように見えるのも良いところ。

あと、めずらしく岸本さんがラストのソロを歌ってるんですよ、この曲。つばきファクトリーの法則なのかはわからないのだけれど、基本的に、どんなに上手くても岸本さんはラストのソロを歌わないパターンが、多いのです。(その代わり初めの難しいパートに重用されてることが多いっていう印象。)ただこの曲は、ファルセットと地声をうまく合わせないといけない難しいパートだからか、ビシッと締めてくれるのが地味な見所。

 

…というか、この曲を新メンバーが出来るかは結構難しそうなんだよなぁ。歌もそうだけど、フォーメーションも人数が多くなるぶん大変そうだし。あと、振りも大きいので。

チーム風のバージョンもネットに上がっているけれど、こちらは上手く仕上げているイメージ。当方も、こちらのバージョンで初めて良さに気づいたし。

 

https://youtu.be/DmkN9kP69vw

 

ちなみに、初めて見たときの感想は、“こぶしファクトリーっぽい” だったんですよ。なんか、コミカルで力強いところが。

でも、見れば見るほど、“つばきファクトリーだな” ってなるのが面白いところ。この、なんでもものにしてしまう感覚というのが、まぁ不思議。

 

それは、8人体制になってから本格的にライブで披露してるってのも大きいかもしれない。なんか知らないけど、全員が強くなってきているし。しかも、アベンジャーズの強さではなくて、可愛くてかつ強い、それって最高でしょ?って感じのプリキュアみたいな強さ。(ある意味、日本っぽい?)これって、モーニング娘。でも、アンジュルムでも、Juice=Juiceでも、カントリー・ガールズでも、BEYOOOOONSでもない、一つの到達点だと思う。

 

さて、アルバム内での立ち位置としては、“景気の良いオープニングナンバー” なのだけれど、意外とアルバム全体を見渡す上で、コンセプトの発端になっているのが面白いところ。たぶん、偶然なのだろうけれど、次のステップに上がるために、まずは “捨てる” ことから始める、というのが意外にも重要、と言うことをサラッと言ってる楽曲。