さしもしらじな

アイドル系のデトックス諸々

「行くぜ!つばきファクトリー!」#23

 

というわけで、「行くぜ!つばきファクトリー」#23、「やれんだろ!河西!」の感想記事なのですが、この回が “最高傑作” である理由を語るにはおそらく「行くぜ!つばきファクトリー!」全体を総観する必要があるのではないかと思い、とりあえず意気込んで書いてみる。

(…のだけれどどうやら、コメンタリー版も流れるらしいので現時点ではラフ版。この状態で残すかどうかわからないけれど、一応一区切りって感じで上げときます。)

 

 

1.そもそもの始まり

「行くぜ!つばきファクトリー!」は去年の7月に始まった文字通りつばきファクトリー冠番組。とはいえ、何もせずに転がってきた番組ではない。

そもそも前身番組としてあったのが今はアンジュルム冠番組として放送されている「ハロプロTokyo散歩」。ただこの番組も別につばきファクトリー冠番組として放送されていたわけではなく、Season 1はハロープロジェクトに所属するメンバーが回替わりで登場する番組だった。

ちなみにコロナ禍に入った Season2も当初はこの路線で行くはずだったことは番組内で語られていて、正式につばきファクトリー冠番組として放送されるのは第3回から。つまり、この時点でつばきファクトリーが “使える” とスタッフ側には伝わったということである。

とはいえもう一つ疑問は残るだろう。そもそもなぜ “つばきファクトリー” のメンバーがSeason2の第一回に集められたのか。で、まあこれは推測なのだけれどシンプルに予定が空いていたのではないかと思う。というのも当時ラジオ番組などの定期的な露出が少なかったのがつばきファクトリーでスケジュールを抑えやすかったのではないか。そして、事務所もグループ外での交流を極力避けるという意味でも1グループに絞った結果だったのではないか、とそう思う。

で、このつばきファクトリーの「ハロプロTokyo散歩」の評判が良かったのか、これを受けて企画されたのが「行くぜ!つばきファクトリー!」である。ただここで留意して欲しいのはこの時点では新メンバーが決まってなかったということ。それに加えて小片さんが抜けたあとということ。この狭間の期間にもぎ取ったレギュラーである事はメンバー8人の大きな成果の一つだと言える。(加えていえば武道館も。)

とはいえ、流石に評判の良し悪しだけで番組は成り立たない。どういう風に面白い番組を作るかはプロデューサーだけで成り立つわけではなく、メンバーの役割なども重要になっていく。

そこでもう一つ重要なのはこぶしファクトリーの解散特番として組まれた「こぶしファクトリー特番〜みんなで咲かせた青春の花〜」である。この番組のスタジオパートを進行していたのが「行くぜ!つばきファクトリー!」のSeason1で主に司会を担当していた岸本ゆめのである。

ここもまた推測だけれど、予算に限りがある中でアイドルとは別に “番組を回せる” プロの芸人を呼ぶかどうかはシビアな問題になっていく。グループで面白い番組になるかどうかはこの一点に掛かっていると言っても良い。その点で岸本さんの(病的なまでの)“番組を回せてしまう能力” は番組を成立させるうえで一番の武器になっていると言っても過言ではないだろう。

(ちなみに何が病的かっていうと、ハロプロ黄金期のようにバラエティー番組の制作現場に触れているわけでもなければ、道重さんや嗣永さんのようなバラエティーの洗礼を受けた先輩方から直接的な薫陶を受けたわけではないのに、“ある程度回せてしまう” という点。もっというと、ラジオの回しですら2020年1月まではやってないことを鑑みてもやっぱり “病的” だと思う。恐るべき成立松。)

というわけで、8人で勝ち取った「行くぜ!つばきファクトリー!」は新メンバーを迎えたうえで船出を迎えることになる。

 

2.メンバーそれぞれの立ち位置

さて、Season1こそ岸本さんを司会におきつつ、他のメンバーが暴れ回るという構図だったのだけれど、Season2になってからは岸本さんもプレイヤー側に入って総入り乱れ状態と化していった「行くぜ!つばきファクトリー!」。

そしてそんななかで埋もれていたのが今回の主人公 河西結心さんである。

そう、埋もれていったのである。

めちゃくちゃな話だけど、他のグループであればむしろバラエティーエースになれる逸材だと思う。が、つばきファクトリーはそんなに甘くない。

いや、河西さんが好きなファンの方には「オマエにナニが分かんねん!どアホ!」と言いたい方もいるだろう。しかし、毎回ムダに長い感想を書いてる身としてはぶっちゃけ「ヤバい…河西さんについて書くことがない…どうしよう…」ってなる回が少なくなかったのである。もう事実。これはウソ偽れない。アイドル天職診断の回とかにポロッと出ちゃってるから。読んだらわかる。

ちなみに埋もれてる理由を考えるとバラエティーには二つのタイプがあるという話をするのがいいだろう。

一つは、長い間ドリブルが出来る人。無論、司会をする人はもちろんだけれど、時には実際にはそんな役割には付いてなくてもやってのける人である。わかりやすい例で言えば、岸本さん。「ランダムダンス回」を見れば一発でわかる。ほとんど場を回してるのは彼女だから。恐ろしいドリブルをずっとやってるから。これは気づかれないけれど、テレビ番組をするにあたっては一番重要なことなのだけれど、あんま気づかれない。意外とできないんですよ、これ。たぶん、竹内さんぐらいじゃない?あと出来るの。

つばきファクトリーでドリブルが出来るのは山岸さん。リーダーだからってのも大きいけれど卒なく司会を回す。あと限定的ではあるけれど、新沼さん、浅倉さん、小野田さんあたりも意外と回す。そして名脇役が小野さん。目立ちにくいんですけど、フォローにすかさず入ったりして、その後の流れを決めることが大きいんです。

ちなみに、流れを決めるのは小野さんか谷本さんだったりする。で、二人の発言のうちどちらが早いかで割とそのあとの番組の流れが変わってるので、そういうふうに見ていくと面白い。

もう一つのタイプはストライカータイプ。番組内では “爆発力” とも言われたけれど、番組内での出番は少なくても一つドカンと爆発すればそれだけでオッケーなところもある。

典型的なのが谷本さん。あまりにも “本能的” すぎるので、一挙手一投足が爆発力ある。そして何気に頭の回転が早いので鋭いツッコミもする。ボケて良し、ツッコミで良し、恐ろしい逸材。

そして新沼さん。こちらは完全に感性の “爆発力” 。どこまで考えているのかわからない発言で持っていく笑いは才能としか言えない。

これに加えて天然で持っていく山岸リーダー、おバカがつい出ちゃう浅倉さんと秋山さん、カワイイキャラを持ってる小野田さんとまあ爆発力の塊ばっかなのだ。

で、この爆発力に感化されたのが リトルキャメリアン / よつば の八木さんである。前に前に精神の元、とりあえずスベろうがなんだろうがとりあえず前に出て行き、シュートを決めにいく。まぁ、数撃ちゃ当たるってやつなのだけれど、シンプルイズザベストですよ。

対照的にクールなのが福田さん。なのだけれど、そのクールさとウラハラに出ちゃう天然な “抜け感” や “オラオラ感” が起爆するとそれだけでワンシーン持ってっちゃう。これが、エースの天然素材?ともいうべきか。

そして最年少の豫風さんは、イノセンスオブイノセンス。たぶん番組のどうのこうのを考えて動けるほど成長は追いついてないのだけれど、だからこそ爆発する瞬間が凄まじい。あと、一瞬一瞬の切り替わりの忙しさも相まって、まだまだ面白いところが出てきそう。

とまぁ、このようなメンツが揃っているわけですよ、つばきファクトリー。こんな人たちが入り乱れてバラエティーをしてるわけですよ…。

 

そりゃ、河西さん埋もれるって!

 

で、本人の理想としては福田さんみたいな立ち位置だと思うのだけれど、如何せんそれは難しい相談なんですよ…。福田さんが上手いことやれすぎているし…。

これが “惜しい” のは、振られると面白いってところなんですよ。面白くならないのであれば別になんとも思わないんですけど、前に出れば!キチンと爆発するんですよ!前に出れば!

で、実はこの点は岸本さんは見抜いていて、積極的に振ってたりするんですよ。ただ、やっぱりそのカウンターだけではどうにも目立つことは難しいと。

 

と、いうわけで!

いよいよ今回の企画である「やれんだろ河西!」が幕を開けるわけですよ!

言ってみれば新メンバーが入ってずっと成長を見てきた番組の最高の企画を用意したわけです!

これが熱くならないわけないでしょう!

パーフェクトじゃないわけないでしょう!

面白くないわけないでしょう!

というわけで、ようやく本編に触れていきます〜。

 

3.やれんだろ河西!

表向きは1時間以内に36個のお題をクリアしなければいけないというデスゲーム。しかしその裏のドッキリでは河西さん以外のメンバーは36個のうち半分である18以上のお題を河西さんにやってもらわなければならないというゲーム。ちなみに、36個全て開けられなければ失敗、もしくはドッキリがバレたとしても失敗で罰ゲームという結構シビアなゲームだったりします。

で、まあ企画が「やれんだろ!河西!」と言うことで基本的には河西結心祭り。そして当たり前なのだけれど、どんどん疲弊していく訳ですよ。その結果として「好きな人にガチ告白してください」というお題で出てきた「スポーツおつかれ!」の絶妙に頭が回ってない感じがホントに良い。あとこの後で自分で手応えがあったのかガッツポーズしていたのも良かったです。

河西さんに当たった最後のお題が「いまの自分の心境を川柳で」というので「本日は たくさん当たって 困ってる」と言っていい締めになっていたのも偶然の為せる技か。

さて、一応メインは河西さんなのですがカモフラージュのために他のメンバーも当たるというのでドッキリでもないのにやたらと当たっていた八木さんがマジ八木栞。しかもたくさんやったのにほとんどが早送りやダイジェストで端折られているのもマジ八木栞。あと、テンション高め系のお題も多かったのも八木栞。運が味方についてる?

そして リトルキャメリアン / よつば の三女福田さんは出番少ないながらもやっぱり爪痕をしっかり残す。「二重跳び20回」を一発で成功させたかと思ったら、「変顔で最近嬉しかったこと」というお題ではしっかり振り切って話してたのも良かったです。(あと連られて変声になっちゃって、蛙亭イワクラさんみたいになってたのも面白かった)

それ以外のところでは、河西さんが福田さんのモノマネをした後でジャレていたのも可愛かったです。

残る豫風さんは「変声で自分の夢を語る」というお題。器用に高音と低音で変声してたのが印象的。因みに、河西さんの行動の一つ一つがツボなのかずっとキャッキャしてたのも可愛かったなぁ。

ちなみにナイスアシストは「ゆってぃー次引いてみたら?」。カードに細工がしてあったので、河西さんに引く権利を渡さない方が良いといえば良いのだけれど、結果的にこの発言を受けて河西さんが自分で自分のカードを自引きした結果、ドッキリに気付かれにくくなったことを考えると豫風さんいい働きしたなぁと。

そうそう、流れで言うと小野さんが「今日、ゆうみ持ってるんじゃない?」という一言が最後まで効いてたんじゃないかなぁ。あれで「神社に最近行ってきたんです!」って発言が出てきて、「神頼みってスゴイ!」と一人で納得してるのが面白かったんですよ。実際は乗せられてるだけなのに。笑

そんなお姉さんメンバーもお題で爆発してました。

「happyに過ごそうよ×行くぜ!つばきファクトリー!」コラボ生配信で自分以外の見所として挙げられていた山岸リーダー。当たったのは「メイウェザーシャドーボクシング対決」「あいうえおきそらん」の二つなのだけれど、二つとも最高でしたね。シャドーボクシングのガムシャラ加減も良かったのですが、あいうえおきそらんの適当さと可愛さのバランスが絶妙で。“ぬ” 「ぬりかべになってほしいな」(だったっけか)に関してはアイドルっぽいとかどうでも良くなっちゃいますよね。そのあとの真琳ちゃんの「守ってほしいんですよ!」のフォローも合ってるのかよく分からないし。

小野田さんによるメンバーの楽屋モノマネもなかなか秀逸。メンバーをよく見てるなぁ。

さて、そんな終始ドタバタしてる「やれんだろ!河西!」回なのですが、ホッコリさせてくれたのが秋山さんに当たった「両親に電話で感謝の気持ちを伝える」というお題。結局、両親には繋がらなかったもののおばあちゃんに電話して目がうるって来てるメンバーもちらほら。ここの緩急も良かったなぁ。

反対にお題に意外と苦戦したのが新沼さん。「メンバーにガチダメ出し」でちょっと迷う。結果としていつものきそあみが見れて嬉しかったなぁ。というより谷本さん何やってんのよ本番前に。

新沼さんと谷本さんのペアでいうと今回はメンバーイジリを小気味よく入れてたのも印象的。真琳ちゃんの出番が来た時に、その一つ前のお題で河西さんがやっていた真琳ちゃんのモノマネのフレーズ「ちょっと何やってんのー」っていうのを野次で入れてたり、秋山さんがカードを引く出番になったときに「まおちゃ〜ん」っておばあちゃんが秋山さんを呼ぶときの言い方を真似していたりと、細かいけど番組を盛り上げていたのが良かったな。

さて結局、浅倉さん岸本さん谷本さんにはお題が当たらなかった訳なのだけれどサポートとしては目立っていた印象。浅倉さんの受け答えも可愛いし、いつのまにか谷本さんがタイマー係になってるのも面白いし。あと、岸本ファンとしては「岸本の写真集のセクシーポーズをする」というお題を受けてお題となるセクシーポーズを見せるときに岸本さんの腕の逞しさが見れるのが良かったです。いつのまにか腕フェチになったのだろうか、僕は…。

 

と、まあ河西さんが中心になっていたものの、結局は全員が目立っていた「やれんだろ!河西!」回。最後にまたちょっとキレてるの含めて河西さん可愛かったし、全員が自分のキャラを出していたという点において、更に最大限に発揮されていたという点で、文句のない最高傑作回だったと思います!