さしもしらじな

アイドル系のデトックス諸々

VS瑞歩-行くぜ!つばきファクトリー#27

 

又は、小野瑞歩白書。

 

非常に個性派揃いでその人となりが掴みづらいつばきファクトリーメンバーの中でも一際掴みどころがないのが小野瑞歩さんだと思っている。その難しさはどこにあるのかを語ることさえ難しい。

これと言った苦手分野があるわけでもなく、かと言って一際目立つ特徴…ギャグだったりあざかわだったり…を武器にしているわけでもない。じゃ、全く目立ってないといえばそんなことはなく、所々ではその場を自分のものにすることもある。ただ、それが何が原因でそうなっているのかがわからないのが小野瑞歩の “謎” なのだ。

しかも “謎” という言葉を使うと瞬時に “ミステリアス” という言葉が連想されるが、小野瑞歩には “ミステリアス” という言葉が驚くほど似合わない。座右の銘にあるまま “コツコツ ぐんぐん ニッコニコ” を地で行くような人間である。なんなら、“ミステリアス” という言葉で観客が評したいところを真っ向から潰しているような印象すらある。(狙ってやってたら相当なサイコパスだが流石にそれはないと信じたい)

というわけで、小野瑞歩というメンバーを語ろうとすると、どう頑張っても芯を食うことが難しいのだ。しかも誤魔化しも効かない。

というわけで【タニモト・ガールズ・コレクション】や【豫風王決定戦】に続くメンバーフィーチャー企画として【VS瑞歩】が来たときに番組がどう転ぶのか、事前に一番想像できなかったところがある。それは楽しみでもあり不安でもあった。

 

さて、その【VS瑞歩】。企画の発端は約一年前の企画【ワンミニッツ・チャレンジ】での小野瑞歩自身の発言に遡る。

 

「わりとなんでもできます!」

 

この “わりとなんでもできる” が本当にそうなのかを検証するというのが今回の企画のコンセプトだ。他のメンバーとそれぞれの特技でもって戦っていく…シンプルだけど小野さんの負担が大きい企画だ。

しかし、フタを開けてみれば小野さんは恐ろしくタフ。本人がコメンタリーで「カロリーを使った」と言ったところですら、本放送を見ていると必ずしもそうは見えないくらいに。

で、その深淵はどこにあるのか…をわからないままこの記事の叩き台を書いていたのだけれど、その途中で小野さんのある法則みたいなものが見えた。

それは「途中までは非常に戦略的に考えているのだけれど、なんらかの要因で危機が迫ったとき “当たって砕けろ” 精神に取って代わる」というところ。

 

…こう書くと、まるでウルトラマンみたいだな。

(イメージはウルトラマンダイナ。とりあえず困ったらストロングタイプで押し通す。脳筋。力こそパワー。パワーこそ正義。)

 

ま、いいか。

その根本には “負けず嫌い” な一面もある。むしろ “負けず嫌い” な一面を引き出した結果、“戦略性” と “出たとこ勝負” の二面性のバランスを抽出したと言っていい。

さてそんなウルトラマンミズホであるが、面白いのは “戦略的” に全振りしたからと言ってうまく行くわけでもなければ、“出たとこ勝負” に全振りしたからと言って必ずしも上手く行くわけでもない、というところ。ある意味、傾向と対策がうまく噛み合えば勝てるし、見間違えれば失敗してしまう。

その根底にあるのが、“メンバー愛” なのかもしれない。一人一人の特徴を捉えながら自分の立ち位置を考えて “こんな感じで行こう” というのを決める。相手に合わせながら、それでいて戦略を立てて、真っ向からぶつかっていく。だからか一つ一つの戦いにおいて同じような展開が一つもなく、番組としてダレることがなかったりする。そしてやるとなれば手加減なしにやり切る。結果、勝っても負けても自分も目立つし、相手も引き立つ。これが小野瑞歩の原点なのではないか。

 

秋山眞緒さんとダンスしりとり対決では、秋山さんの “ダンスマシーン” という一面を引き立てながらも、自分も小さい頃からダンスはやっていたという一面を引き出して、真っ向から勝負する。

新沼希空さんとのあいうえおきそらん対決では、新沼さんのアイドル力を褒めながら、自身はというと事前に頭で考えることはせず、当たって砕けろ精神でぶつかってみたりする。正直いうと、新沼さんのターンで考えることもできたろうに、そこら辺は “真っ向勝負” で挑むあたり、武士という感じもする。

谷本安美さんとのメンバーの匂い嗅ぎ分け対決でも当たって砕けろ…まあ、これに関しては頭脳戦をしても仕方ないというのもあるけれど、その割には5人中4人当てられちゃうあたり、ポテンシャルの高さを思わせる。いや、こんなポテンシャルどこで使うんだって話なのだけれど、無いに越したことはない。(コメンタリーでの「真琳ちゃんの匂いがよくて、これからも嗅いでいきたい」旨の発言は流石に控えても良かった気もする。ちょいちょい漏れ出てしまう #だる絡みずほ )

だる絡みずほさんの例→ https://twitter.com/tsubakifac_uf/status/1603008644781871104?s=46&t=1fq8Lt7VBhh5UPCFDA5pNg

 

“頭脳戦” と “当たって砕けろ” のミックスした作戦勝ちだと浅倉樹々さんとのロック対決。お題の「ロックな楽屋挨拶」に対して、自身が唯一知っているロック要素を武器に「OHY」(「おはよう」です、一応)と言い放って堂々とやり切るあたり、小野瑞歩の真骨頂と言える。樹々ちゃんがやり過ぎて恥ずかしがったのもあるけれど、こういうところでしっかり勝ちに行くところがウルトラマンミズホ。

岸本ゆめのさんとの大喜利対決は手数で負けた印象。爆発力では同じくらいなのだけれど、この時点で新沼さん浅倉さんとの実質的な大喜利対決もやっていたので力が残っていなかったとも言えなくもない…。(まぁ、側から見るとあまりそう見えないあたりタフではある。)

小野田紗栞さんとのあざかわ対決では普段制御している部分をワザと外していた印象。「そういうキャラではやっていない」と言っていながら、やろうと思えばそこがギャップとして出てくるという…これは無意識の部分なのかわからないけれど勝っちゃうのが小野瑞歩。対決で負けて泣いちゃうくらいの “あざかわガチ勢” の小野田紗栞…思えばかなりガッチガチの頭脳派なんだけれど、そういうメンバーには意外と当たって砕けろで挑んでいたりするのかなぁと少し思ったり。(一方で、どう見ても “当たって砕けろ” 勢の秋山眞緒と3人で “サニコ” ってのがほんとバランス良いんだよなぁ…)

ちなみにガチさの一端は、この回の記事にも現れているので是非一読を。 → https://hominis.media/category/idol/post9965/

 

福田真琳さんとは習字対決。ここは苦手意識…というよりかは元来左利きなのを習字だけ右で書くように矯正したという事情もあるのか、少し弱気だったのが目立ってたかな。でも書き上げると意外にも自画自賛の出来。まあでもここは説明含めて流石に真琳ちゃんが一つ上手という感じだったかな。

続く八木栞との演技対決は一人二役で挑むという “頭脳戦” とその上で体当たりで演技する “当たって砕けろ” の面が良い感じにミックスされていてしっかりと勝ちに行けたイメージ。内心、八木しゃんが長く演技するので焦っていたと言うのだけれど、そんな動揺を感じないくらいいい演技。

ちなみにこの様子はコチラでガッツリ観れる→ https://youtu.be/v9C8327-BJE

 

豫風瑠乃さんとは天才ブログ対決。ここでもるのちゃんの地から来る “天才性” には真っ向から行っても勝てないと判断して、「みなさんに共感してもらえるような文章にする」という戦略を立てていたり、負けず嫌いの面を覗かせている。結局は負けてしまったのだけれど、なかなか良い線行っていたのでは?

 

ちなみに、対決ブログはこの二つです。

るのちゃん→ https://ameblo.jp/tsubaki-factory/entry-12775787214.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

おみず→ https://ameblo.jp/tsubaki-factory/entry-12775833581.html

 

本編ラストはリーダー山岸理子さんとの収録中の違和感に気づいていたか対決。これはもうポテンシャル勝負だったかな。あと、山岸さんはMCに専念していたからメンバー側にまで気を回せなかったというのもありそう。

 

…で、ここまでで5勝5敗と “わりとなんでもできる” を体現していたのだけれど、本当の延長戦として河西結心さんとのやれんだろ対決が生配信にて行われた。

https://youtu.be/1n0ZROkvQNE

これはもう、頭脳戦部分をかなぐり捨ててオール当たって砕けろだったなぁ…!不思議な話だけど、演技対決だとこうはいかないんですよね…。上手く締めまで持っていけないんです。ここの使い分けみたいなところがほんとに面白い。

 

というわけで、全体で言えば6勝5敗と見事勝ち越し。

ただ勝負も大事なのだけれど、ホントの小野さんの良さが出ていたのはコメンタリー。この良さは初めに出した【ワンミニッツチャレンジ】にも繋がる。

【ワンミニッツチャレンジ】、今回の放送では後半部分しか流れなかったのだけれど、前半では「つばきファクトリーで一番メンバー愛があるので、全員の良いところを言っていきます!」と言っていたりする。(で、早く言い過ぎて時間が余り、アクロバットを披露したあと出たのが件の「突出したところはないかもしれないけれど、わりとなんでもできます!」発言だったりする。)この “わりとなんでもできる” のなかには、他の個性的なメンバーに対する自身へのネガティブな想いも多少ありつつ、それでいてその個性に対する負けず嫌いな一面を持ちながら、それ以上にその個性を認めているからこそのメンバー愛があると思う。そしてそんなメンバー愛だったり、裏話がこの上なく聴けるのがコメンタリー。あと、元来おしゃべりだし、一人ラジオもやってたメンバーでもあるので、めちゃくちゃ聴きやすい。

このコメンタリー、今思えば “感想戦” みたいなものなのかも。もしかすると、一回一回こんなふうに分析しながら次に繋げていってるのかなぁ…なんで考えると、まだまだコツコツ成長していくんだなぁと思ったりする。