「朝まで生竹内3」でこんな内容の話があった。
「当時のつばきファクトリーは真面目と言った感じ。一方で、アンジュルムはギャングで個性がバラバラで振りを合わせる気がなかった。つばきファクトリーにはそういう面が必要だったのだと思う」
まぁ、もう三週間くらい前の話なので細かいところは違うと思うのだけれど、この話を聞いたときに「ああ、岸本ゆめのの話でもあるなぁ…」と思ったんです。一般的にはギャグ要員だったり、バラエティー担当の側面が大きくておふざけ担当と思われているかもだけれど、その根本は大真面目。ただその真面目な性格ゆえに、毎回公演終わりに竹内さんへ今日のライブが上手くいっていたかを確認していき、たまたま竹内さんも他のグループのメンバーと仲良くなりたい時期と重なってグループの垣根を超えた師弟関係が生まれることとなる…これが2017年の話。
さてこの師弟関係、一体何を教えて教わっていたのかを語られることはあまりない…というか岸本ゆめのに聞いても「全部」と答えそうだし、一方の竹内さんは「何も教えてないよー」って答えそう。この絶妙な天邪鬼たちめ。
なのでここからはあくまでも個人の推測ではあるのだけれど、岸本ゆめのにとって大きかったのは「個性を貫くこと」だったのではないかと思う。もっというと「個性を貫くことを諦めないこと」だったのではないかと。ただ、これはつばきファクトリーというグループとは恐ろしく相性が悪い。
翻ってみるに他のハロプロのグループはとにかく個性が評価される傾向が強い。むしろ、個性が暴れてこそグループが輝く…と言った思想が見受けられる。その一方で、つばきファクトリーはグループのカラーが個性を縛っているところが大きい。清楚で正統派を志向する一方でそこから外れる要素は基本的に押さえ込む形になっていたのではないか。さらにその中でも、グループのカラーと個性が噛み合いにくかったのが岸本ゆめの、その人であった。そしてそのことは本人の自覚するところでもあった。
でもここがポイントで、自覚していたならばグループのカラーに寄せて個性を抑えることも可能ではある…寧ろ、単なる真面目ならばそうしていたのだと思う。ただ、実際は逆走した。逆走も逆走、お淑やかなグループイメージとは反対に熱血キャラで突き進むし、ギャグもするお笑い要員として率先して転びにも行く、メンバーにいじられようが奇抜な服も自由に着こなす…とにかく自分を貫き通す。単なるパフォーマンス能力の高いスキルフルなメンバーではなく、バラエティーにも強いメンバーであることをアピールしていった。そしてその背後には竹内さんやアンジュルムの個性を制限しない姿勢が岸本さんに影響を及ぼしていたような気がする。
(因みに2023年のバースデーイベントにて「ファッションのこだわりは?」という質問に対して「我を貫くこと」とはっきり答えていたりする。かっこいい。)
そしてその成果として結実したのがラジオ番組「60try部」のレギュラーである。元々はカントリー・ガールズの山木さんが務めていた枠ではあるが、母体の解散と共に山木さんは卒業、その後釜として選ばれたのが岸本ゆめのであった。そもそもこのレギュラー、序列で言えば Juice=Juiceやこぶしファクトリーが優先されるべきところではある。そこをかいくぐって掴み取ったのがこのお仕事。バラエティーもできるというキャラをプロモーションしていった結果、自身が掲げていた夢の一つであるラジオ番組のレギュラー出演を叶えたのである。
さて、そんな「60try部」のもう一人の火曜レギュラーが何を隠そう師匠である竹内朱莉さんであった。そしてこの師弟関係は主にバラエティーの方面で不思議な縁を辿ることとなる。
岸本ゆめのが「60try部」のレギュラーとなった2020年、コロナ禍で思うように活動が出来ないなかでつばきファクトリーは「ハロプロ!Tokyo散歩!」のシーズン2でレギュラーメンバーとして出演することとなる。そしてゲストとして初めて番組に呼ばれたのが竹内朱莉さんであった。そしてこの回には岸本さんも同席していたりする。
この回の大喜利で “竹内無双” とのちに称される手数の多さを披露するのだけれど、これがシーズン3以降の「アンジュルムのハロプロ!Tokyo散歩」へと繋がって行く。その傍でつばきファクトリーはこの番組の好評を受けて冠レギュラー番組「行くぜ!つばきファクトリー」を始動させる。そしてこの二つの番組はともに2023年現在まで続く事となる。
https://twitter.com/sptv_idol/status/1407260814159929345?s=46&t=H0PqYYxsfSPACM2tNwGVzQ
この二つの番組が始まった2021年、その8月に放送されたのが「朝まで生竹内」である。そして、ここで初めて “竹内一門” と称される竹内、石田、岸本の3人が初めて揃い踏みする。グループの垣根を超えたバラエティー班の誕生だ。
さて、バラエティーでの2人の絡みを語ってきたのだけれど、パフォーマンス面においても2021年の一年は「花鳥風月」にて “月組” の一員として一緒に回っていたりする。プランクトークにこそ直接共演しなかったものの、川名さんの補助として数秒ではあるが出演していたりもする。
https://twitter.com/tsubakifac_uf/status/1448275682404945923?s=46&t=H0PqYYxsfSPACM2tNwGVzQ
…と思ってたのだけれど、フォロワーさんから竹内朱莉回あります!との報告が。なんで、忘れてたんだろ、僕。そして頼れるは竹内朱莉ファン。この弟子のファンにして、この師匠のファンである。
https://twitter.com/tsubakifac_uf/status/1446744980047876100?s=46&t=H0PqYYxsfSPACM2tNwGVzQ
気を取り直して。
その翌年の2022年には「朝まで生竹内2」が放送され、こちらでは石田さんとともにガッツリ6時間絡んでいる。また年の瀬には生配信番組「岸本ゆめのの2023年で逢いましょう」に竹内さんが電話出演をし、少しイレギュラーではあるものの互いの冠番組に出演する関係性にまでなった。
行くぜ!つばきファクトリー×happyに過ごそうよ コラボ生配信「つばきファクトリー岸本ゆめのの2023年で逢いましょう」 - YouTube
そしてそんな師弟関係の2人が5年の時を経て、お互いのグループの看板を背負ってライブへ挑んだのが「TWO OF US」Bチームである。
【TWO OF US(B)】〜アンジュルム×つばきファクトリーの大乱闘 - さしもしらじな
小細工なしの殴り合い。そんななか、お互いのグループの曲をパフォーマンスしあうブロックでは竹内さんのパートを岸本さんが、岸本さんのパートを竹内さんが担っていたりして、互いに感慨深かったとたいう。
その後も「ひなフェス2023開幕特番」で共演したり、プライベートでは岸本ゆめのがジムに勧誘してその結果、竹内さんがめちゃくちゃ体力つけたりするなど、お互いを高め合う関係が続いて行く。(そう言えば、2018年以来の「今日、微炭酸」による「悲しきヘブン」の歌唱もあった!)ただそんな矢先、惜しいことに体調不良のため師匠竹内朱莉さんが卒業するその瞬間は岸本ゆめのは立ち会えなかった。だけれど、それでも竹内朱莉さんがアンジュルムの一員として参加する最後のアプカミで共演してしまうあたり、この二人の師弟関係は最後まで強かったものと伺える。
そんな「個性を貫き通す」2人らしい話なのだけれど、同じく「朝まで生竹内3」で竹内さんがこのようなことを漏らしていた。
「そう言えば、今回のツアー衣装で自撮りしてないかも」
…これを聞いたときに、「岸本さんもあまり自撮りしない人なんだよなぁ」と思ってそんなところも似ていたのかと驚いたりもしていた。現に、二人のツーショット写真は「TWO OF US」で一緒に回っていたのにも関わらず残ってないんだよなぁ。きしもんが戻ってきた際にはツーショット、撮ってほしいな。そんなことを思いつつ、これからも師弟関係を見続けていけたらなぁと思ってます。