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アイドル系のデトックス諸々

つばきファクトリー【さよなら中野サンプラザ】

 

それは、浅倉樹々からの卒業。

 

浅倉樹々とロックとつばきファクトリーと - さしもしらじな

つばきファクトリー【LAST PARADE FINAL】 - さしもしらじな

【ひなフェス2023 つばきファクトリープレミアム 浅倉樹々卒業スペシャル】 - さしもしらじな

 

4月に至るまでつばきファクトリー浅倉樹々は完璧な卒業をするべく様々なイベントを打って来た。もしかするとそれはコロナ禍という情勢において悔しい思いをして来たであろうこれまでの他のハロプロメンバーの卒業生たちへの弔い合戦ともいう一面もあったのかもしれない。

兎にも角にも、完璧だった。なんのあとぐされもなく、送り切った。

 

しかし、問題は残る。本人たちも言及している通り、つばきファクトリーの軸の一つには “浅倉樹々がセンターのグループである” という一面がある。それはリトキャメが入ろうが基本線としては変わらないところ。浅倉樹々を送るのはもちろんだが、そこから “どうやって浅倉樹々のいないつばきファクトリーを完成させるのか?” これが【シュンカン】の一つのミッションと言っても過言ではない。

 

つばきファクトリー【シュンカン】 - さしもしらじな

 

…と、まあ、【シュンカン】は始まったわけなのだけれど、思いの外すんなりとできてしまった、というところが実際大きい。いや、“すんなり” は言い過ぎなのだけれど、セットリストの工夫や構成などで個人の力を100パーセントを出し切った結果、第一段階は乗り越えたと言ってもいい。

 

つばきファクトリー【超アイドル祭2023】 - さしもしらじな

つばきファクトリー【@Jam】 - さしもしらじな

 

さて、その一方でこの傾向に追い風となったのは声出し解禁である。正直、これに関しては “持ってた” と言った方がいいのかもしれない。樹々ちゃんの卒業前に声出ししたい気持ちがなかった訳ではないのだけれど、結果として浅倉樹々が卒業したつばきファクトリーの現場の熱量を補填する大きな…と言うか大きすぎるくらいの後押しになってることには変わりない。

そしてこの二つの熱量が合わさった交差点が【さよなら中野サンプラザ】だった。

【シュンカン】の本公演での声出しは大阪から始まり、広島、仙台と続いたのだけれど、とにかく仙台公演の盛り上がり方は異常だったらしい。これはファンはもちろん、メンバーがラジオでしきりに出すほどだった。そしてそれを受けての中野サンプラザ公演である。

流石に対バンイベントほどではないと思いつつ、まあ皆さん声が出る。僕も声出したんですけどね…少し恥ずかしかったなぁ…いや、なんでだろ…。

そして始まる公演。基本的には【シュンカン】を下敷きにしていたのだけれど、前に見たのがおよそ二ヶ月くらい前ということもあって、ちょっと新鮮…というよりかは岸本ゆめのさんがハイトーンをリタッチしていて、まぁ神々しいこと…!いや、ほんとに高貴を越えて、もはや神々しかった。瞬間瞬間に漏れ出る溜め息の数よ…。

「七分咲きのつづき」から高貴さダダ漏れ、からの「スキップ・スキップ・スキップ」の繋ぎの無駄のなさ、少し可愛さを見せつつも、ダンスパートでバッキバキに踊る姿が兎に角カッコいい。てか、ヘソちら衣装が最高すぎじゃない?あの衣装。おかしいな…全身像をチェックしていたはずなのだけれど、あんなヘソちらだったか…カッコ良すぎる。

からの「うるわしのカメリア」がなんとも良いセトリ。いや、結局はこのセトリなんだよなぁ…。メリハリの付け方というか、ツボを押さえてくる感じ。そして振りコピ楽しい。

MCを挟んでの「ふわり、恋時計」からの “春間” ブロックの多彩な “春感” も味わい深い。にしても「ふわり、恋時計」のワンハーフの岸本ゆめの良いとこ採り感はほんとに嬉しい。そして本日も小野瑞歩の “見られたくて” が最高得点。ビブラートも綺麗にハマってたしなぁ…。あと、秋山眞緒のソロダンス。表現力が上がってる気がするし、パッションと切なさの狭間を見せるのはつばきファクトリーのライブでしか味わえないと思うんだよなぁ…良い。あと、八木さんの振りコピをすれば岸本ゆめのの相手になれることに気づきました。わお。

「春恋歌」はクラップが楽しい。いや、これに関してはコロナ禍前でも一緒のはずなのだけれど、なんでだろ…また一入?ただこの曲に関してはるのちゃんだな。樹々ちゃんパートを貰ったるのちゃんの爆発する表現力。

で、爆イケ岸本ゆめのの美少女を侍らせる貴公子姿のカッコいいこと…!もはやレビューだよ、あれ。いや、よく知らないけれど。そりゃ中野サンプラザのインスタグラムにも載りますわな!

 

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「ハナモヨウ」は豫風瑠乃の独壇場。マジで豫風瑠乃のためにあった曲なんじゃないかっていうくらい豫風瑠乃。これに関しては、我が推し岸本ゆめの以上の存在感を感じる…でもですね。最後のトメの “ハナモヨウ” 前の岸本ゆめのの歌い方…るのちゃんに絶妙なパスを渡しているのを僕は見逃さない。少し力を込めた歌い方…これが豫風瑠乃なら出来ると踏んでの歌い方。こういう細かいところなんだよなぁ…岸本ゆめのの凄さは。

「純情CM」は「ハナモヨウ」に比べると少しトーンダウンはするものの、真琳ちゃんの「告白してもいいですか?」にやっぱり心掴まれるな。あと、直前の浅倉パートを譲られた河西さんの低音の良さね。それを挟んでの小野田紗栞の落ちサビも好きなんですけどね。ま、岸本ゆめののそろ “ねぇ 気づいてほしい 私のこと” が極上なんですけどね。

そして「3回目のデート神話」で一人 Moment してる岸本ゆめののカッコ良さよ。言っちゃあなんだけど「3回目のデート神話」って他の曲に比べて岸本さんの稼働が少ないんですよ。その余っている体力を全部煽りに使っているのがマジでカッコいい。

…にしてもこの公演で初めて思ったのだけれど、この曲って意外と小野田さんが目立つなぁと。いや、元々浅倉さんの印象が強かったからというのもあるのだけれど、小野田紗栞がいい感じに世界観に入っていて、いやいやまだ侮れないなと思った次第。ここまでが前半戦。

で、リミックスタイム…二ヶ月ぶりに見た感想は「最初の二曲、実質夫婦餃子ブロックじゃね?」というところ。夫婦餃子で始まり、夫婦餃子で終わる。つまり…結婚式?

…冗談はさておき「恋のUFOキャッチャー」×「アイドル天職音頭」はもう少し盛り上がってもいいかな、というか、「アイドル天職音頭」はもうちょっとガツガツコールが入った方が絶対楽しいだろうなって思う。ただ一人で叫ぶにはまだ心の鍛錬が足りんのよ…アラサーで初めてアイドルのライブ行くあるある?知らんけど。

一方で「断捨ISM」×「だからなんなんだ!」はパフォーマンス激強。美味しいとこどり感が強い。はじめの山岸秋山二人を残して全員捌けるところから、再度全員で合流して「だからなんなんだ!」パートから岸本小野田秋山河西福田の選抜だけ残る形の鮮やかさ。で、先輩3人に河西福田が喰らいつく感じ…でもやっぱり夫婦餃子が上手く締めるんだよなぁ…。まあ、“顔芸” みたいなところもあるのだけれど、そこを含めてのパフォーマンス力の強さよね…「だからなんなんだ!」の “好きなんだ!” の可愛らしい顔から一拍も置かずに「断捨ISM」のキリッとした顔立ちになるの、一周回って怖いもの。凄味というやつだな。

「約束・連絡・記念日」はなんか安心感あった。なんというか、声援が戻ってから新沼さんの声が安定してきた気がする。あと、小野さんも良いし、豫風さんも盤石。成長率で言うとこの3人が抜きん出てるんだよなぁ。

そして「独り占め」が絶好調も絶好調。去年の秋とかは上手いけど調整中、みたいなところもあったのだけれど、有無を言わせない良さ。

そして後半戦、「マサユメ」はやっぱり盛り上がる。アホになっちまう。で、初日こそそんなに感じなかったけど、スポーティーな衣装がこれまた岸本ゆめのに映える映える。(いや、太もも…、なんか太ももに目がいくのよねぇ…太もも…。)「涙のヒロイン降板劇」も春のゆめのフェイクまつりだったしなぁ…。文句なしにため息出るわ…。あと、「一緒に!」で “Say Yeah-Oh” のところできたのも嬉しかった。てか、そういえばそんなパートだったわ、という感じ。いやぁ、コロナ禍明けたなぁ…!で、ダメ押しの「アドレナリン・ダメ」はマジで楽曲として優秀すぎる。百点満点ですよ、こんなの。サンキュー卓偉!「愛は今、愛を求めてる」の “ピース!” の掛け声と振りコピも楽しいし、楽しすぎるな、つばきファクトリー!!!

そしてここで、谷本安美のサブリーダー就任の発表。締めの挨拶もかな?河西さんの挨拶がご当地名言からカウボーイキャラにジョブチェンジ?したのだけれど、多分るのちゃんやまりんちゃんみたいに観客とコールアンドレスポンスできる挨拶がしたかったんだろうなっていう、想像。僕はすごく良いと思う。

そしてラストの「ふりさけみれば…」。ここなぁ。山岸岸本のソロパートでやっぱりグッときちゃうよね…。そしてユニゾンが綺麗。

 

さて、アンコールからがこの公演の本番と言って良いところ。まず「17才」が来たことに驚き、さらに灼熱衣装で驚くという二段構え。思わず「灼熱ー!」と叫んだもの。なんと素晴らしい灼熱衣装…!「17才」に関しては中野サンプラザでのつばきファクトリーお披露目で披露した楽曲とはいえ、いまだ新鮮味があるのは浅倉樹々卒業コンサートでやったからなのだけれど、これほど鮮明に卒コンを思い出させる楽曲はなかったなぁと。てっきり、後ろに当時の映像が出るかと思ったもの。

そして中野サンプラザでの思い出を話したあとに来たのが「初恋サンライズ」。ぶっちゃけ切り札中の切り札なのだけれど、今回のツアーでは披露されず取って置かれたことがまず驚きだし、それをここで切るというのがなんとも憎いところ。そして、サンライズジャンプを抑えるのに必死の皆様。よく耐えました…。

因みに興味深かったのはセリフの移動。元々、小片パートに福田真琳が入っていたのだけれど、ここを河西結心が担当。そしてスライドするように浅倉樹々パートを福田真琳が担当と…まあ、センターの継承というわけでは無いのだけれど、福田真琳に掛ける想いみたいなものが少し見れて面白い。

 

ラストは、「My Darling 〜Do you love me?」。これがね。まさか来るとは!って感じで。個人的には「今夜だけ浮かれたかった」が来ると思ってたんですよ。やっぱ冠ラジオの元ネタにもなってるくらいの名刺代わりの曲だし…。

でも、「My Darling 〜Do you love me?」なんだよね。

この曲が紹介された時の会場の温度の上がり方がね、ほんと凄かったのよ。洒落じゃなく2, 3度上がってたもの。「うおー!」つって。で、この曲はもうどこで切っても美味しい曲なのだけれど、でもやっぱりゆめききパートの “あなたを好きになって 毎日がこんなに楽しくて どんなこともきっと二人なら 乗り越えていけるよね” がもう堪らなく好きなわけですよ。この浅倉パートを誰が歌うかですよ。

河西結心なんですよ。

もう、浅倉樹々を始めっから慕っていた河西結心がこのパートを継ぐのか!って、ほんとに嬉しかったり、納得したり。で、また演出がニクくて。河西さんが歌っているあいだライトピンクの照明になってるわけですよ。「うわぁ!浅倉樹々だ!」ってなりますわな。そしてその後に岸本ゆめのが来るわけですよ。

 

“どんなこともきっと二人なら

乗り越えていけるよね”

 

初めこそお互いをライバル視していたけれど時を経るにつれて、方やセンターを張り続けた浅倉樹々と裏で歌唱力やバラエティー力だったりで引っ張り続けた岸本ゆめのという2人にぴったりの歌詞だったんだなぁと思って。今までそんなこと思ったことなかったんだけど、浅倉さんが居なくなって河西さんがそのパートを継いで岸本さんの隣に就いたときに「つばきファクトリーはもう大丈夫だぞ!」という自信にも見えたんですよね。それこそ、浅倉樹々卒業の時に岸本さんが言った「つばきファクトリーを樹々ちゃんのぶんまで引っ張っていく」の一言がこのシーンに凝縮されていたというか。ちゃんとここまで成長させたよ!と言う風に見えて誇らしかったな。

で、この後の谷本安美なのよ。「一緒に!」の号令で全員でクラップするのだけれど、ここで「二人の超絶パフォーマーが引っ張ってきて色々なことを乗り越えてきたつばきファクトリー」から「そしてつばきファクトリーのファンと乗り越えてきたんだぞ!」みたいなストーリーが出来上がっているように思えて、また震えたよね。で、それを谷本安美が呼び込むと言うのがなんともエモいんだよなぁ…うん。この曲、コロナ禍の最中に発表されて、一番グループの危機にあった8人体制の時に初披露されて、そこからライブのキラーチューンとして育っていて、【つばきSPOOX】で一旦完成を見た曲ではあったのだけれど、ここで超えたなぁと。

ダメ押しは灼熱衣装ね。よくよく考えたらこの衣装も浅倉樹々卒業コンサート以来なんですよ。で、このときも浅倉樹々はドレスを着ているから11人が灼熱衣装を着ているという状況は同じなんですよ。なんかそれが、浅倉樹々への返信というか、餞というか、覚悟というか、浅倉樹々という “My Darling” に向けたメッセージにとれたんですよ。もちろん、お世話になった中野サンプラザもそうだし、ファンに向けてのものもあるのだけれど、でも浅倉樹々への想いみたいなのも感じた、そんな「My Darling 〜Do you love me?」。名演だったなぁ。

 

そんなつばきファクトリー、すでに山岸岸本の卒業が発表されているのだけれど、ここまで完璧な卒業から新体制の完成を見せつけられると、まるで不安がなくなるんだよなぁ。というより、もう助走は始まっているのか。

 

山岸理子×岸本ゆめの 卒業発表後初の2人トーク - YouTube

 

山岸岸本の二人がもうグループに対して「大丈夫。」と思っているのが答えだと思うんです。浅倉樹々のいないつばきファクトリーを完成させすることができた、ならば私たちが卒業しても大丈夫…ということかはわからないのだけれど、長年グループを支えてきた二人が言うなら大丈夫。

 

 

“どんなこともきっと二人なら

乗り越えていけるよね”

 

 

p.s. そんな「My Darling 〜Do you love me?」を披露した後、メンバー二人ずつ舞台袖にはけていくのですが、最後の最後にゆめまりんが投下された時は「マジでありがとうございます!」ってなりました。なんなら、あそこで記憶の8割方は飛びました。あー!ゆめまりん!マジ最強。マジ神。